富岡の町を訪ねる〜林芙美子と頼山陽

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     大型の台風が小笠原近海でうろうろしていますが、その影響かどうかは分かりませんが、天草は

    夕方から風が強まって、有明海側はシケ模様でした。本渡港越しに、雲仙普賢岳上空に傘雲がかか

    っていました。

     

     

    【富岡港】

      天草下島の北西には半島のように突き出たところがあります。小さな島が海によって運ばれた

     砂によって繋がった「陸繋島」(りくけいとう)という地形です。そこに富岡港(地図はこちら

     があります。富岡港から長崎の茂木港(地図はこちら)に高速艇が出ていて、長崎天草を45分で

     結んでいます。現在社会実験として、週末にのみ長崎港から崎津まで双胴船も出ています。

      その昔、天草を訪れた文人達は長崎からこの富岡の町に船で渡ってきました。古くは江戸時代の

     頼山陽、明治の終わり頃は北原白秋ら「五足の靴」の面々。昭和に入って与謝野鉄幹晶子夫妻

     林芙美子らが長崎経由でここ富岡に上陸しています。この写真は撮影を忘れた私に代わって、同僚

     のN氏がわざわざ会社の帰りに富岡まで行って昨日撮影してくれた富岡港の写真です。感謝です!

     

     

    【富岡城】

      富岡港から見上げる小高い丘のような山の上に、富岡城があります。ここは島原・天草の乱の戦場

     となったところで、本渡の戦いで敗走した幕府方が立てこもっていました。それでも一器具の攻撃に

     落ちなかった城です。

     

    【林芙美子文学碑】

      富岡で林芙美子が宿泊した旅館にある文学碑です。アコウの木と思われる木の下にありますが、

     この日は「林芙美子文学碑」と書かれた看板が葉陰に隠れていました。

      

      

      旅に寝て

      のびのびと見る

      枕かな
     

      代表作「浮雲」「放浪記」などで知られる作家林芙美子(1903〜51年)は、前述の【富岡港】

     で紹介した航路で昭和25年に汽船で渡りました。その時の様子は「天草灘」という作品に描かれ

     ています。「屋久島は月のうち35日は雨」というフレーズは有名ですが、林芙美子の小説の中の

     1フレーズです。中学時代の修学旅行で南九州を訪ねた時、鹿児島でバスガイドさんが「花の命

     は短くて 苦しきことのみ多かりき」を繰り返し紹介していたことも思い出されます。

      林芙美子が戦前、カナダで発行された日本語新聞に「外交官と女」という短編小説を寄稿して

     いたことが最近発見され、話題になりました。「外交官と女」は、男性外交官が、中国赴任時代

     に知り合った天草出身の女性を回想するという内容だそうです。まだ刊行されていませんが、

     一度読んでみたいものです。

     

    【頼山陽詩碑】

      林芙美子文学碑からほどなく、江戸時代の文人 頼山陽の「天草洋に泊す」の詩碑があります。

     

     ちょっと電線が目障りな感じですが、「天草洋に泊す」が刻まれています。高校時代に古典で

     この漢詩が出てきましたが、当時良さはよくわかりませんでした。なんでもすばらしい名詩な

     のだそうです。この詩を吟じる詩吟大会が当地で行われたりしているようです。

     

    【砂嘴】

      さし、と読みます。静岡の三保の松原、京都の天橋立などもこの砂嘴です。天草にも富岡に

     あります。富岡城から延びる鳥の嘴(くちばし)の」ような砂の半島です。下左が砂嘴の根元、

     右はその先端です。

      

      同じ砂嘴であっても、天橋立や三保の松原の規模に比べるとまるで箱庭のような大きさです。

     でもよく見ると、潮の流れや波の作用まで感じられるような素晴らしいジオラマです。地学の

     教科書に出したいくらい典型的な砂嘴です。規模が大き過ぎると海の息吹が感じられません。

     その点、ここ富岡の砂嘴は生きた海の息吹が感じられます。次の世代に残したい風景です。

      先に紹介したN氏は地元出身なのですが、このように素晴らしい風景なのに、子供の頃から

     毎日当たり前の風景として見ていたので、その価値に気が付かなかったと言います。仕方ない

     ですよね。でも今回、きっとその価値に気が付いてくれたことと思います。    9月2日


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    プロフィール

    管理人のたかぴーです。2017年、定年を待たず少〜しだけ早く退職して天草に移住しました。東京での生活が正常だと思っていたのが間違いだった。とりわけコロナで過密都市の恐ろしさを実感している所です。ここ天草はWithoutコロナ生活を送れるパラダイス。是非お越し下さい。

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